「ゲームで稼ぐ時代が来た!」
そんな華々しいキャッチコピーとともに登場したGameFi(ゲーム×金融)は、一時期ブームを巻き起こしました。
Axie InfinityをはじめとしたPlay to Earn(P2E)モデルのゲームが急成長し、SNS上では
「このゲームだけで生活してます」
「ゲームで月収30万円超え!」
といった夢のような報告が飛び交っていました。
でも、今どうでしょう?
あの熱狂はどこへやら、
GameFi市場は明らかに冷え込み、多くのプロジェクトが稼働停止、または急激なプレイヤー減少に直面しています。
いったい、GameFiには何が起こったのでしょうか?
そして、「Play to Earn」は本当に“稼げる仕組み”だったのでしょうか?
今回はGameFiの浮き沈みを、経済的・構造的な側面からわかりやすく解説していきます✨
🎯この記事がおすすめな人
- GameFiやP2Eに関心があるけど仕組みがよくわからない人
- 一時期プレイしていたけど離れてしまった人
- Web3やブロックチェーンの未来について考えたい人
- なぜ「稼げるゲーム」が続かなかったのか、その理由を知りたい人
GameFiとは?ざっくり復習📘
GameFiとは、「Game」と「Finance(金融)」を掛け合わせた造語で、
ブロックチェーン技術を使ったゲームにおいて、プレイヤーが仮想通貨やNFTを報酬として得られる仕組みです。
特に注目されたのが「Play to Earn(プレイして稼ぐ)」というコンセプト。
従来のゲームと違い、プレイすることで実際に収益が得られるため、
ゲーム=娯楽の枠を超えて「仕事」として取り組む人たちも登場しました。
主な特徴は以下の通り:
- ブロックチェーン上で資産管理(NFT、トークン)
- 所有物の売買が可能(=二次流通)
- トークン報酬により経済的インセンティブがある
一見、魅力的な仕組みに思えますが、問題も多かったのです。
急成長から急失速へ📉
2021〜2022年にかけて、GameFiは一大ムーブメントになりました。
しかし2023年以降、その熱は明らかに冷め、現在では過去の盛り上がりが嘘のようです。
急失速の背景には、以下のような要因が絡んでいます。
1. プレイヤーが「投資家」になってしまった問題
本来ゲームは楽しむためのものですが、GameFiは報酬目的でプレイされるケースが大半でした。
結果として、ゲームバランスや面白さよりも「どれだけ稼げるか」が重視されることに。
するとどうなるか?
ゲーム内容が薄くても、報酬が出るうちはプレイヤーが集まりますが、
トークン価格が下落した途端、一気に離脱するという“投資家的”行動が目立つようになります。
いわば、「ゲームプレイヤー」ではなく「短期トレーダー」が集まっていた状態だったのです。
2. 経済モデルがポンジスキームに近かった?
多くのGameFiプロジェクトでは、新規プレイヤーの参加によって生み出された資金で、既存プレイヤーの報酬を賄う構造になっていました。
これは実質的に、ポンジスキーム的な構造とも言われています。
トークンの供給が増え続ける中で、新規の資金流入が止まれば当然価格は暴落。
インセンティブも崩壊し、プレイヤーは一斉に去っていきます。
長期的な経済的サステナビリティを設計できていたプロジェクトは、実はごくわずかだったのです。
3. 法規制やセキュリティの課題
仮想通貨関連ということもあり、規制リスクが常につきまとっていました。
さらに、ハッキングやバグによる資産流出事件も多発し、信頼性が大きく揺らいだのも大きな打撃でした。
特に有名なのが、Axie Infinityの「Roninブリッジ事件」。
6億ドル以上の資産が流出し、GameFiの信頼を大きく損なう結果となりました。
GameFiの教訓とは?
GameFiが一時的に盛り上がった背景には、以下の3つの要素が複雑に絡み合っていました:
- 仮想通貨バブル
- 新しいテクノロジーへの期待(NFT、ブロックチェーン)
- 「稼げるゲーム」というインパクトのある概念
しかし、持続可能性のあるゲーム設計や、長期的なユーザーコミュニティの形成には至らず、
「短命なバズワード」で終わってしまった印象が否めません。
それでも、GameFiがもたらした新しい視点、たとえば:
- プレイヤーがゲーム内資産を本当に所有できること
- 労働と遊びの境界が曖昧になる世界観
- 分散型のゲーム経済が作れる可能性
こうしたコンセプト自体は、今後のWeb3ゲームやメタバース、DAOといった文脈の中で再評価されることもありえます。
まとめ📝
GameFiの失速は、単なる「流行り廃り」ではなく、
プレイヤー心理や経済モデルの脆弱性、技術的課題といった複合的な要因によるものでした。
でも、その中には多くの学びやヒントも含まれています。
次に出てくるWeb3ゲームは、
「稼げる」ではなく「楽しい」「続けたくなる」「所有できる」ことにフォーカスしているかもしれません。
GameFiの過去を知ることで、これからのWeb3エンタメの未来が、少しだけ見えてくるかもしれませんね✨